こんばんは!ソーシャルレンディング投資家のサイタマンです。
先週、SBIソーシャルレンディングのファンド運用の実績ページが更新され、ついに融資残高ベースでは、SBIソーシャルレンディングが約307億円、maneoが約285億円になったことが判明しました。maneoの数値がいつ時点のものかははっきりしませんが、最新の公開値ではSBIソーシャルレンディングが業界トップに立ったことになります。
もちろん、投資家としてはきちんと償還されてはじめて利益が確定しますので、融資残高の勝負自体には何の意味もありません。
しかし、延滞続出のmaneoを抑えてSBIソーシャルレンディングがトップに立ったことは、業界のイメージアップという意味では良かったのかなと思っています。
(SBISLHP ファンド運用の実績より引用)
さて、maneoマーケットで遅延が頻発しているのは、関東財務局による業務改善命令後、maneoマーケットの借り換え案件に対する審査が厳しくなったからだという推測をされる方もいらっしゃいます。
実際に、ガイアファンディングが全案件期限の利益喪失となる前までは、借り換え案件を中心とした延滞が続きました。
本当に借り換え案件に対する審査が厳しくなったから返済が遅れているだけであれば、投資家の立場からするとありがたいことで、業務改善命令にしたがい「金融商品取引業者として必要な営業者の選定・管理に関する業務運営態勢等を再構築すること」が実行されていることになります。
maneoマーケット株式会社に対する行政処分について(関東財務局ウェブサイト)
すなわち、当該借り換え案件の問題さえ片付けば、より厳選された事業者および案件のみが提供されるプラットフォームサービス事業者に生まれ変わることになります。
現在、maneoマーケット利用事業者で延滞が発生しているのは、maneo、グリーンインフラレンディング、ガイアファンディング、キャッシュフローファイナンスになります。
グリーンインフラレンディングとガイアファンディングは全案件が期限の利益を喪失しており、案件の募集自体が停止されています。借り換えが認められなかったからこのような状況に追い込まれた可能性も否定はできませんが、現状では事業者自体に問題があったと言わざるを得ない状況です。
ただし、 グリーンインフラレンディング案件で、貸付先のJCサービスの発表どおり募集額の50%程度は返済の目処が立っていて徐々に延滞案件について返済が行われていき、ガイアファンディング案件では、現地のプロジェクト自体は順調に進行中で出資金が中間業者に滞留しているだけであれば、maneoマーケットの事業者選定自体にはそれほどの問題はなかったことになります。
maneoとキャッシュフローファイナンスに関しては、個別案件の審査基準が甘かったり、借り換え案件の審査が厳格化されたため、借り換えができなくなった可能性も考えられます。
その中で私が注目したのは、キャッシュフローファイナンスの「【事業者AH社向け】廃棄物をナノカーボン化する装置への投資」案件です。
私はキャッシュフローファイナンスには投資していないため、他ブログでの情報をもとに、このファンドに関して、「TN社の資金調達活動をもとにした、同社からの返済を原資とする事業者AHによる自主回収」が見込まれていることを知りました。
TN社とは最終貸付先企業で、事業者AHとはキャッシュフローファイナンスの子会社になります。
それにしても・・・こういうお知らせは、今後の投資判断材料にもなりますので、出資者へのメールだけではなく、HPにも掲載してもらいたいですね。良いお知らせも悪いお知らせも・・・
こちらの案件は、キャッシュフローファイナンスの募集詳細に、
「中長期目線で安定した収支を見込むことができる案件を、短期間に区切って投資家の皆様にご案内いたします。当ファンドは、廃棄物を有価物に生まれ変わらせる、リサイクル事業への融資を目的に組成されております。」
との記載があります。
すなわち、元々長期の事業計画であったが、運用期間が長期の募集だと資金が集まらないため、借り換えを前提とした短期ファンドを組成していたが、maneoマーケットの審査が厳格化されたため現在の案件を一時延滞案件とせざるを得なかったということになると思います。
実際にこの案件が全額償還されれば、最終貸付先企業は自力で資金を調達する能力があったことになり、それなりの事業価値が認められると言えるのではないでしょうか。
あくまで現時点では、キャッシュフローファイナンスのお知らせ内容を信用した希望的観測にはなりますが・・・
私としては、少額であれば、不動産担保がなくても、こういう環境負荷低減事業案件に投資してみたい気持ちは強く持っています。最終貸付先にちゃんとした事業実体があり、動産担保もそれ相応の価値があるのであればですが・・・
まあ、こういう考えで少額投資したのがグリーンインフラレンディング案件だったのですが見事につかまってしまいました(笑)・・・こちらも、全ファンド期限の利益喪失発表時には全額デフォルトも覚悟していましたが、JCサービスの発表により、どのような結末になるかは全く分からなくなりました。
このように、キャッシュフローファイナンスの事例ではありますが、maneoマーケット募集案件にも、ほんのわずかではありますが希望が見えてきたのではないでしょうか。