ホンネのソーシャルレンディング投資実践録

専業投資家です。あらゆる分野に手を出しています。

みんクレ→ラキバン→maneoマーケット?

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こんばんは!ソーシャルレンディング投資家のサイタマンです。

 

明日1月8日は、ラッキーバンクから遅延総額の約32%の金額が分配される予定ですよね。

まさか、この約束も反故にされることはないでしょう。

私はラッキーバンクには投資していませんが、この遅延総額の約32%という返還率については、サービス開始時からラッキーバンクに投資していた方からすれば、ラッキーバンクからの過去の利益と相殺すれば御の字だと評価するかもしれませんし、行政処分前の駆け込み募集に引っかかってしまった方からすれば到底許容できるものではないと思います。

 

昨年は、ソーシャルレンディング業界の暗い話題として、みんなのクレジットの債権総額の約3%でのサービサーへの債権譲渡、ラッキーバンクの債権総額の約32%でのサービサーへの債権譲渡(明日投資家に分配予定)、maneoマーケットでの異常な割合での返済遅延があったことから、maneoマーケットと前二社を同一に捉えて、maneoマーケットはもう終わり論まで出てきました。

 

しかし、グリーンインフラレンディングの親会社であるJCサービスとみんなのクレジット・ラッキーバンクを同一視するのは理解できますが、それらとmaneoマーケットを同一視するのは、かなり無理があると思います。

 

まず、maneoマーケットとみんなのクレジット・ラッキーバンクでは入ってきている資本が全く異なります。

maneoマーケットの株主には、GMOフィナンシャルホールディングス、VOYAGE VENTURES、SMBCベンチャーキャピタル、池田泉州キャピタルとなど、東証一部上場企業系列のベンチャーキャピタルが名を連ねています。

それに対して、みんなのクレジットの株主は白石伸生氏、ラッキーバンクの株主は代表取締役社長の親族でした。

 

次に、maneoマーケットの財務状況についてです。

maneoマーケットは未上場ですが、決算書を公開しています。

それによりますと、2018年3月期の売上高は約33億円と前期から10億円以上も伸びて、経常利益も約7.4億円と前期から4億円も増加しています。

これで、maneoマーケットは3期連続で増収増益を達成したことになります。

また、その大半が出資者からの預り金ということにはなりますが、現預金も約77億円と前期の約48億円から大幅に増加しており、営業貸付金も前期の約144億円から約349億円と大幅に伸長しており、規模の面でも申し分のない成長を遂げています。

このような財務状況下で、昨年後半はmaneoマーケット利用事業者で返済遅延が相次いだわけですが、そのような環境変化があったとしても、とても一気に財務基盤が揺らぐような状況にはなっていないものと推測されます。

 

なお、マスコミによっては、maneoマーケットとグリーンインフラレンディング(JCサービス)を同一視して報道しているところもありましたが、資本関係は全くありませんし、ここは明確に分けて考えるべきだと思います。

入ってきている資本の質と財務情報だけで判断しますと、相次ぐ返済遅延発生前までは、maneoマーケットはいつ上場してもおかしくないところまで来ていたのではないかと思われます。

 

以上のように、maneoマーケットがみんなのクレジットやラッキーバンクのような開店休業状態になることはないと言えますが、投資家にどれほどの損害を与えてしまうかどうかという視点では、その評価は全く別のものになると考えています。

 

みんなのクレジットについては、関東財務局が「償還期限が到来していないファンドの資金が償還金に充当されている状況」や「白石伸生代表取締役がファンド出資金を自身の借入れ返済等に使用している状況」があったと認めていますので、投資家の損害どうこう以前の問題ですので、ここでは省略します。

 

明日分配があるであろうラッキーバンクの債権総額の約32%という返還率をどう評価するのかは人それぞれだと思いますし、実際に多額の資金をデフォルトさせられた投資家からすればたまったものではないと思います。

私がラッキーバンクを一点だけ評価できるとすれば、ほぼ全案件返済遅延となった2018年中に債権譲渡をして損害額を確定させたということです。

これにより、投資家は2018年分の他のソーシャルレンディングからの利益とラッキーバンクでの損失を相殺できることになりました。

 

もう、ソーシャルレンディング投資なんてこりごりだと思い、2018年中に投資自体をやめてしまった方からすれば、税金の還付が受けられる可能性もあります。

また、償還金を再投資に回せば、未だに資金が拘束されているグリーンインフラレンディングに比べて投資効率は格段に上がります。

もし、グリーンインフラレンディングがラッキーバンクと同じ30%程度の償還しかなされないという事態になれば、ソーシャルレンディング投資自体をやめてしまった方からすれば、株やFXのように損失繰越ができませんので、最悪、2018年分の税金の払い損になってしまいます。

 

以上のように、投資効率も考慮した投資家への損害という点で比較すれば、ラッキーバンクよりグリーンインフラレンディングの方が大きくなるかもしれませんので、みんクレ→ラキバン→maneoマーケットと投資家への被害は続いていくのかもしれませんが、maneoマーケットがみんクレ、ラキバンのような開店休業状態に追い込まれることはないものと考えています。